技術コミュニケーション論

「人のつながりをつくる貨幣システム」エンデの本「エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」 」を軸に貨幣論、ディスカッション。
・今の貨幣には
 ○価値の交換手段
 ○財産
 ○資本・投機の手段
と、異なる役割が与えられている。この役割ごとに、通貨を使い分けたらどうか、というアイデア。ちょうど、誰とでも会話するための英語、日本文化にふれるための(漫画でもニコ動でも源氏物語でもいいが)日本語、文学・映画のフランス語と言語を使い分けるがごとく、価値の交換手段だったら、地域通貨。グローバルな投機には今のドル・ユーロを使う。

・利子がふくらめば、経済は破綻するか環境が破壊される。(両方すでに起こってるなあ)
永続する、あるいは実体無く増殖する貨幣は、エネルギー保存則・諸行無常に反する。つまり実体を持つ物理世界とあわない。当然、きしみが生ずる。貨幣も寿命があり、いつか消え去るものであるべき。流動性をもうけると、一部に集中する。たとえば、東北地方の新幹線が整備された結果、ますます若者は東京に行くようになり、過疎化が加速化した。これと同じように、貨幣の流動性を高めたところで、一部に集中するだけ。その金は減りはしないし、利子がつくことで増えていく。こうしてますます資本主義社会の格差は広がる。

・つづいて、地域通貨の試みを紹介。
地域通貨に、月ごとに価値が減っていく仕組みを導入したところ、タンス預金が減って、経済が活性化した。

isaka hourは、たとえばカウンセリングを受けたときに10だけ払う。収支がマイナスになると、isakaの人たちになにか貢献しなければならない。「マイナスになるということは、地域社会の一員となったということです。」ディスカッションでは、では何の能力もない人はどうするのか?という意見も。別に肩もみでもいいんではないでしょうか。また、車いすの人に手を貸せば
それでもこの通貨は発生する。善意増幅装置。人のやりとりがそこで発生する。「速さ」「効率性」でいったら、いまの通貨のほうがずっといい。
 コンビニの店員の顔は覚えているか?松屋の店員は?等価交換の通貨の使用は、回り回って取り替え可能な機能として、人を扱うようになってしまうのではないか?世界単位での競争を強いる仕組みを発生している原因は流動性の高い通貨だ。

 地域通貨の例では、「この働きはいくら?」というところから、会話が発生するようすがあった。対価はその場で話し合って決定していた。「感謝の気持ち」を形にするための手段として、通貨を再発明しよう。

元ネタ:エンデの遺言http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_ss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Daps&field-keywords=%83G%83%93%83f&x=0&y=0

追記 廣田裕之 「シルビオ・ゲゼル入門」を買った。(12月12日)