内田樹「日本辺境論」

ビジョンを描くことなく、外からの圧力で動くのが日本人だ、という聞きあきた日本人論をまざまざと実感したのは、デザインの試みをデザイナーのお手伝いという形で手伝った時だった。自由にやってくださいと言われると、アイデアが浮かばない。おかしいな。一番やりやすいはずなのに。お膳立てされて初めて意見を言える自分がいたのだ。結局、他人の引いたレールの上をいくしかないのか自分は。と思った出来事だった。